この記事でわかること
- マンスリーマンションに住むとき、住民票を移す必要があるかの判断基準
- 「滞在期間」や「契約の種類」では決まらない理由
- 住民票の移動を認めていない物件があること
- 住民票を移さない場合の郵便・免許証・選挙・保険の扱い
- 名古屋市で転入届を出すときの窓口・持ち物・受付時間
「マンスリーマンションに住む間、住民票はどうすればいいの?」という疑問は、出張・研修・転勤の仮住まいとしてマンスリーマンションを使う方の多くが持つものです。
結論から言うと、住民票を移すかどうかは、滞在期間や契約の種類ではなく、そこが「生活の本拠」になるかどうかで決まります。数週間〜数か月の出張や研修で、生活の拠点が自宅にあるなら、住民票を移さないのが一般的です。一方で、元の住まいを引き払って名古屋に生活の拠点を移したなら、14日以内に転入届を出す義務があります。ただし、住民票の移動を契約で認めていないマンスリーマンションもあります。私が運営している物件も、住民票の移動は認めていません。
2026年10月2日 更新:以前の版では「住民基本台帳法では1年未満なら住民票の移動は任意」と説明していましたが、法律にそのような期間の定めはありません。住所は「生活の本拠」で判断されます。このほか、名古屋市の窓口名、運転免許証の手続き、健康保険証の記述に誤りや古い情報があったため、全面的に修正しました。
住民票を移すかどうかは「生活の本拠」で決まる
法律で決まっていること
住民基本台帳法では、市区町村に転入した人は、転入した日から14日以内に転入届を出すことになっています(第22条)。正当な理由なく届け出なかった場合は、5万円以下の過料の対象になります(第52条)。
ここでいう「住所」は、その人の生活の本拠のことです。実際にそこで暮らしているかという事実と、そこを生活の拠点にする意思をあわせて判断されます。
滞在期間や契約の種類で自動的には決まらない
「1年未満なら移さなくていい」「定期借家契約なら移せる」といった説明を見かけることがありますが、法律にそうした期間や契約の種類による区別はありません。「おおむね1年以上住むなら移す」という目安は、一部の自治体が案内で使っているものにすぎません。
状況別の考え方
| 状況 | 考え方の目安 |
|---|---|
| 数週間〜数か月の出張・研修 | 生活の本拠は自宅のまま。移さないのが一般的 |
| 単身赴任で、週末は家族のいる自宅に帰る | 生活の本拠が家族のもとにあれば、自宅の住所のままでよいとされる |
| 転勤で家族ごと移り、元の家を引き払った | 生活の本拠が名古屋に移るため、転入届が必要 |
| 名古屋で住まいが決まるまでの仮住まい | 元の家を引き払っているなら、本拠が移っていると判断される可能性がある。区役所に確認を |
判断に迷う場合は、住む予定の区の区役所市民課に相談してください。最終的に住所を認定するのは市区町村です。
住民票の移動を認めていない物件がある
マンスリーマンションの中には、契約で住民票の移動を認めていない物件があります。私の物件も、住民票の移動は認めていません。
そのため、元の住まいを引き払って名古屋に生活の拠点を移す方など、住民票を移す必要がある方は、申込前に「住民票を移せるか」を必ず確認してください。移せない物件に長く住むことになりそうなら、住民票を移せる物件や、通常の賃貸を探す方が確実です。
住民票を移さない場合に知っておくこと
郵便物:短期滞在なら住所変更や転送は控えめに
郵便局に転居届を出すと、旧住所あての郵便物を、届出日から1年間、無料で新しい住所に転送してもらえます。住民票の手続きとは別の制度で、住民票を移さなくても使えます。ただし、1〜数か月だけのマンスリー滞在で使うときは注意が必要です。
私の物件では、郵便物を受け取ること自体はできますが、各種の住所変更はしないようお願いしています。退去後も、住所変更のし忘れや手続きのタイミングのずれで、郵便物が届き続けることがあるからです。その場合は着払いで転送していますが、すぐには対応できません。次の入居者が「宛先違い」として郵便局に返送してしまったり、誤って処分してしまったりすることもあります。
生活の本拠が自宅にある短期滞在なら、銀行やカード会社などの住所を変える必要はありません。滞在中に必要な郵便物だけ、送り主に届け先を個別に伝えるのが安全です。転居届を使う場合は、退去する前に必ず転送先を変更してください。
ただし、封筒に「転送不要」と書かれた郵便物は転送されず、差出人に戻ります。キャッシュカードやクレジットカードなどは転送不要で送られることが多いため、滞在中に受け取る予定がある場合は注意してください。
運転免許証:住民票を移さなくても愛知県で更新できる場合がある
優良運転者・一般運転者の講習対象の方は、住民票がほかの都道府県にあっても、愛知県で「経由更新」ができます。名古屋に滞在している間に更新時期が来ても、必ずしも元の住所に戻る必要はありません。
選挙:旧住所地で投票する
住民票を移していなければ、選挙は住民票のある市区町村で投票します。滞在先で投票したい場合は、不在者投票の手続きが必要です。
住民税:1月1日時点の住所地で課税される
住民税は、その年の1月1日時点で住民票がある市区町村で課税されます。年をまたいで名古屋に滞在していても、住民票を移していなければ、住民税は元の住所地の市区町村に納めることになります。会社員の場合、住民税の通知は勤務先を通じて届きます。
医療:マイナ保険証か資格確認書で受診できる
従来の健康保険証は新規発行が終わり、現在はマイナ保険証か資格確認書で受診します。住民票を移していなくても、名古屋の医療機関で受診できます。
住民票を移すときの名古屋市の手続き
住民票を移せる物件で、名古屋に生活の拠点を移す場合の手続きです。
①旧住所の市区町村で転出届を出す
マイナンバーカードを持っていれば、マイナポータルからオンラインで転出届を出せます。この場合、転出証明書は発行されず、窓口に行く必要もありません。
②名古屋市の区役所で転入届を出す
| 届出先 | 新しい住所がある区の区役所市民課、または支所区民生活課 |
|---|---|
| 期限 | 住み始めてから14日以内(住み始めた日の翌日が1日目) |
| 持ち物 | 転出証明書(マイナンバーカードで転出した場合は不要)、本人確認書類、マイナンバーカード(持っている方)、代理人の場合は委任状 |
| 受付時間 | 平日8時45分〜17時15分 |
| 日曜窓口 | 原則毎月第2日曜のほか、3〜4月の一部の日曜。8時45分〜正午(一部の日は14時まで) |
マイナンバーカードを使って転入する場合は、転入した日から14日以内、かつ転出予定日から30日以内に届け出る必要があります。転入届と同時に、マイナンバーカードの住所変更も区役所で行えます。
名古屋市では、マイナポータルや「引越れんらく帳」で届出の内容を事前に作っておくこともできます。ただし転入届は、窓口へ行く必要があります。日曜窓口では、前の自治体とのやり取りの都合で手続きが当日に完了しない場合があります。
③運転免許証の住所を変更する
運転免許証の住所変更は、区役所ではできません。愛知県では、運転免許試験場・東三河運転免許センター・県内の警察署で手続きします。住民票の写し(マイナンバーの記載がないもの)やマイナンバーカードなど、新しい住所を確認できる書類が必要です。
選挙人名簿は3か月後から
名古屋市の選挙人名簿に載るのは、転入届を出してから引き続き3か月以上経ってからです。それまでは、転出後4か月以内であれば旧住所地で投票できます。

よくある質問
Q. 3か月の研修でマンスリーマンションに住みます。住民票は移すべきですか?
A. 研修後に自宅へ戻り、生活の本拠が自宅にあるなら、移さないのが一般的です。期間だけで決まるわけではないため、迷う場合は区役所市民課に確認してください。
Q. 1年未満なら住民票を移さなくていいと聞きました。
A. 住民基本台帳法にそうした期間の定めはありません。生活の本拠が移ったかどうかで判断されます。元の住まいを引き払って名古屋で暮らすなら、1年未満でも転入届が必要です。
Q. マンスリーマンションに住民票を移せますか?
A. 物件によります。契約で住民票の移動を認めていない物件もあり、私の物件も認めていません。移す必要がある方は、申込前に必ず運営会社へ確認してください。
Q. 住民票を移さずに郵便物を受け取る方法はありますか?
A. 必要な郵便物だけ、送り主に滞在先の住所(建物名・部屋番号まで)を個別に伝える方法が安全です。郵便局の転居届でも1年間転送できますが、退去後も転送が続くため、退去前に必ず変更してください。「転送不要」の郵便物は転送されない点にも注意してください。
Q. 転入届を出さないとどうなりますか?
A. 生活の本拠が移ったのに、正当な理由なく14日以内に届け出なかった場合は、5万円以下の過料の対象になります(住民基本台帳法第52条)。
まとめ
- 住民票を移すかどうかは、滞在期間や契約の種類ではなく「生活の本拠」で決まる
- 出張・研修など生活の拠点が自宅にあるなら、移さないのが一般的
- 元の家を引き払って名古屋に拠点を移したなら、14日以内に転入届が必要(怠ると5万円以下の過料)
- 住民票の移動を認めていない物件もある。移す必要があるなら申込前に確認を
- 名古屋市の転入届は区役所市民課か支所区民生活課へ。日曜窓口もある
参考資料・出典
- 住民基本台帳法(e-Gov法令検索)
- 転入届の届出先と期限(名古屋市 よくある質問)
- 転入届・転出届に必要なもの(名古屋市公式ウェブサイト)
- マイナンバーカードを利用した転入・転出(名古屋市公式ウェブサイト)
- オンラインでの転出届・転入予約(名古屋市公式ウェブサイト)
- 日曜窓口(名古屋市公式ウェブサイト)
- 個人市民税・県民税(名古屋市公式ウェブサイト)
- 運転免許証の記載事項変更(愛知県警察)
- 経由更新(愛知県警察)
- 選挙人名簿への登録(総務省)
- 転居・転送サービス(日本郵便)
- 「転送不要」の郵便物について(日本郵便)
- マイナ保険証・資格確認書について(厚生労働省)


