マンスリーマンションのNHK受信料は払う?訪問員が来た時の対応方法と最高裁で確定した結論

NHK受信料は払う? 名古屋長期滞在ガイド

この記事でわかること

  • テレビ付きマンスリーマンションの入居者に、NHKとの契約義務があるか(最高裁で確定した結論)
  • 「入居者は払わなくていい」と言われていた2016年の判決が、その後どうなったか
  • ホテル型・ウィークリー・マンスリーで扱いが変わる理由
  • 単身赴任・学生・短期滞在など、状況別にやるべき手続き
  • 申込前に運営会社へ確認しておくこと

マンスリーマンションにはテレビが備え付けられていることが多く、「自分で置いたテレビではないのに、NHKと契約しないといけないの?」という疑問はよく聞きます。

結論から言うと、テレビ付きのマンスリーマンションに住む場合、原則として入居者にNHKとの受信契約義務があります。これは、短期プランで33日間住んだ入居者の裁判で、2018年に最高裁が確定させた結論です。ただし、運営会社がすでに契約している物件もあり、単身赴任なら受信料が半額になる制度もあります。この記事では、判例の中身と、入居者が実際にやるべきことを順番に説明します。

2026年9月29日 更新:以前の版では、2016年の東京地裁判決を根拠に「入居者は払う必要がないことが多い」と説明していました。しかし、この判決は2017年に東京高裁で取り消され、2018年に最高裁で確定しています。確定した判例に合わせて、結論と内容を全面的に修正しました。

テレビ付きマンスリーマンションでも、入居者に契約義務がある

放送法の「受信設備を設置した者」とは誰か

NHKの受信料は、放送法第64条で「受信設備を設置した者は、NHKと受信契約を締結しなければならない」と定められています。問題になるのは、備え付けのテレビの場合、この「設置した者」が運営会社なのか入居者なのか、という点です。

裁判所の最終的な判断は、「物理的にテレビを置いた人だけではなく、テレビを占有・管理して、放送を受信できる状態にある住人も含まれる」というものでした。つまり、テレビ付きの部屋に住み、そのテレビを使える状態にあれば、入居者が「設置した者」にあたります。

裁判の経緯:2016年の地裁判決は覆っている

「マンスリーマンションの入居者はNHK受信料を払わなくていい」という情報は、2016年の東京地裁判決をもとに広まりました。ネット上には今もこの判決だけを根拠にした記事が残っていますが、その後の流れは次のとおりです。

時期 裁判所 判断
2016年10月 東京地裁(一審) 入居時点でテレビが備え付けられており、入居者は設置者にあたらない。入居者側の勝訴
2017年5月31日 東京高裁(控訴審) テレビを占有・管理している住人も設置者に含まれる。一審を取り消し、NHKの逆転勝訴
2018年8月29日 最高裁第一小法廷 入居者側の上告を棄却。入居者に契約義務があるという判断が確定

この裁判の入居者は、テレビ付き賃貸の30日〜100日の短期プランで33日間住んでいた方です。まさにマンスリーマンションと同じ使い方で、「短期間だから」「備え付けだから」という理由では契約義務はなくならない、というのが確定した結論です。

運営者として:私の物件での扱い

私が名古屋で運営しているマンスリーマンションでは、テレビ付きの部屋について、NHKとの受信契約は入居者の方にしていただくよう案内しています。上の判例があるため、運営側が「契約しなくて大丈夫です」とは言えないからです。

一方で、運営会社がNHKと契約し、その費用を賃料に含めている物件もあります。どちらの方式かは物件ごとに違うため、「マンスリーマンションなら全部同じ」とは考えないでください。申込前に確認しておけば、入居後に訪問員が来ても慌てずに済みます。

ホテル型・ウィークリー・マンスリーで扱いが変わる

ウィークリーとマンスリーで扱いが変わることの図解

旅館業の許可で営業している施設(ホテル型)

ホテルや、旅館業の許可を受けて営業しているウィークリーマンションは「宿泊施設」です。客室のテレビについては施設側がNHKと事業所として契約するのが一般的で、宿泊客が個別に契約することはありません。

賃貸借契約で住むマンスリーマンション

一般的なマンスリーマンションは、定期借家契約などの「賃貸借契約」で部屋を借ります。宿泊ではなく住まいとして借りるため、上の判例がそのまま当てはまり、テレビ付きなら入居者に契約義務があります。

同じ「ウィークリーマンション」という名前でも、賃貸借契約で貸している物件もあります。名前ではなく、契約書が宿泊契約か賃貸借契約かで判断してください。

運営会社が契約して賃料に含めている物件

運営会社がNHKと契約済みで、受信料を賃料や管理費に含めている物件なら、入居者が別に契約する必要はありません。この場合に入居者も契約してしまうと二重払いになるため、契約書や重要事項説明の「NHK受信料」「テレビ受信料」の記載を確認してください。

状況別:入居者がやるべきこと

単身赴任で、自宅にNHKの契約がある場合

家族が住む自宅とは別に受信契約が必要です。ただし、同じ生計の配偶者や子が自宅に住んでいる単身赴任なら、家族割引の対象となり、2契約目の受信料が半額になります。名古屋への単身赴任でマンスリーマンションを使う方は、まずこの割引を使えるか確認してください。

学生の場合

親元を離れて暮らす学生は、条件を満たせば受信料が全額免除、または家族割引の対象になります。研修や就職活動で一時的に名古屋に住む学生の方は、NHKの学生向け免除・割引制度を確認してください。

自分名義の契約があり、住まいごと移る場合

前の住まいで自分名義の契約があり、そこには誰も住まなくなる場合は、新しく契約するのではなく住所変更の手続きで済みます。1つの契約のまま住所だけ移すため、二重に払うことはありません。

退去するとき

マンスリーマンションで契約した場合、退去時の手続きを忘れやすいので注意してください。次の住まいに移るなら住所変更、自宅に戻って家族の契約に合流するなら解約の届出が必要です。何もしないと、住んでいない部屋の受信料が請求され続けます。

テレビを見ないので契約したくない場合

受信契約の義務は、放送を受信できる設備があることで生じます。テレビを見ないなら、テレビのない部屋、またはチューナーのないモニターを置いている部屋を選ぶのが確実です。入居前なら、テレビを撤去してもらえないか運営会社に相談する方法もあります。

なお、2025年10月からはNHKのインターネット配信(NHK ONE)も受信料の対象になりました。ただし対象になるのは、アカウント登録など受信を始める手続きをした人です。スマートフォンやパソコンを持っているだけで契約義務が生じるわけではありません。

受信料の金額と、契約しないとどうなるか

地上契約の受信料は、2023年10月の値下げ以降、口座振替・クレジットカード払いで月1,100円です(衛星契約はこれより高くなります)。1か月だけのマンスリー滞在なら、負担は1か月分程度です。

一方で、2023年4月から、正当な理由なく期限までに受信契約を申し込まなかった場合に、本来の受信料の2倍の割増金を請求できる制度が始まっています。短期間だからと放置するより、月1,100円で手続きしてしまう方がリスクは小さいと考えてください。

NHKの訪問員が来たときの対応

訪問員が来ても、その場で慌てて署名する必要はありません。次の順番で対応すると落ち着いて判断できます。

  1. 身分を確認する:NHKの委託先であることを示す身分証の提示を求めます。インターホン越しの対応で問題ありません。
  2. 物件の契約形態を伝える:運営会社が契約済みの物件なら、そのことを伝えれば二重契約を避けられます。わからない場合は「運営会社に確認してから連絡します」と答えてください。
  3. 自分の状況に合う手続きを選ぶ:単身赴任なら家族割引、自分名義の契約があるなら住所変更を申し出ます。

「入居者だから契約義務はない」と断る対応は、2018年の最高裁の判断に反するため、おすすめしません。手続き自体はNHKの受信料窓口のウェブサイトからもできます。

申込前に運営会社に確認すべきこと

入居後に迷わないよう、申込の段階で次の3点を聞いておくと安心です。

  • 部屋にテレビはあるか:チューナーのないモニターなのか、放送が映るテレビなのか。
  • NHKの受信料は誰が契約・負担するか:運営会社が契約して賃料に含めているのか、入居者が契約するのか。
  • テレビを外してもらえるか:テレビを見ない場合に、入居前の撤去に対応しているか。
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よくある質問

Q. 1か月だけの滞在でも契約が必要ですか?
A. テレビ付きの部屋で、運営会社が契約していない物件なら必要です。最高裁で確定した裁判の入居者も、滞在期間は33日間でした。退去時に解約か住所変更の届出をすれば、住んでいない期間の受信料はかかりません。

Q. 「マンスリーマンションの入居者は払わなくていい」という記事を見ました。
A. 多くは2016年の東京地裁判決を根拠にしています。この判決は2017年に東京高裁で取り消され、2018年に最高裁で入居者の契約義務が確定しています。判決の日付と、その後の上級審の結果まで確認してください。

Q. 単身赴任で自宅でも受信料を払っています。二重払いになりませんか?
A. 自宅とは別の契約が必要ですが、家族割引を使えば赴任先の受信料は半額になります。申込時に家族割引を指定してください。

Q. 会社が借り上げたマンスリーマンションの場合は?
A. 契約者が会社でも、実際に住んでテレビを使える状態にあるのは入居者です。最高裁で確定した裁判も、会社名義で借りた部屋に住んでいた方のケースでした。受信料を会社が負担するかどうかは社内規定によるため、総務や人事の担当者に確認してください。

Q. テレビを使わなければ契約しなくていいですか?
A. 部屋に放送を受信できるテレビがあれば、見ているかどうかに関係なく契約の対象になります。見ないのであれば、テレビのない部屋を選ぶか、入居前に撤去を相談してください。

まとめ

  • テレビ付きマンスリーマンションの入居者には、原則としてNHKとの受信契約義務がある(2018年に最高裁で確定)
  • 「払わなくていい」の根拠とされる2016年の地裁判決は、上級審で覆っている
  • 旅館業の施設や、運営会社が契約して賃料に含めている物件では、入居者の契約は不要
  • 単身赴任なら家族割引で半額、自分名義の契約があるなら住所変更で済む
  • 退去時の解約・住所変更を忘れない。テレビ不要ならテレビなしの部屋を選ぶ

NHKの扱いは物件によって違います。申込前に運営会社へ確認しておくのが、一番確実で手間のかからない方法です。

参考資料・出典

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執筆者
名古屋マンスリー太郎

名古屋エリアの不動産会社での勤務を経て、個人で名古屋市内のマンスリーマンション運営を開始。
現在は中村区・中区・千種区を中心に複数棟を管理。

出張・転勤・研修など、ビジネス目的での短期滞在者と日々向き合う中で、「入居者が本当に知りたい情報がない」と気づきこのメディアを開設。

入居者から寄せられる質問・困り事をもとに、法令や公的機関の情報で裏付けを取りながら記事を書いています。

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